お題、さ

北村「なるほど…わかりました」
吹田「刑事さん、何が分かったっていうんですか?」
北村「もちろん、この事件の犯人ですよ!」
吹田「!」
高原「な!」
吉田「!」
吹田「本当なんですか刑事さん!」
北村「えぇ、まずは見て下さい。この増野さんを殺した装置ですが、どこかで見たものに似てると思いませんか?」


吉田「え…」
高原「う〜ん、なんだろ…」
吹田「なんとなく見た事ある気はするんですが…」
北村「喫茶店なんかに置いてあるコーヒーを淹れる時に使うサイホン式の形にそっくりなんですよ!」
高原「!」
吉田「!」
吹田「た、たしかに喫茶店なんかで使いもしないのに飾られてるあの道具に似てる!」


北村「そうです、殺された増野さんは大のコーヒー好きだった、それはもうコーヒー好き過ぎて小日向文世さん通称コヒさんとも呼ばれてますが、コヒさんがTVに出てたらヨダレが止まらない。面白い写真撮れたんだけど見る?と聞かれたら、え?ミル?コーヒーミルの話?と過剰反応してしまう程だった…」


吹田「それは確かに異常だ…」
北村「そんな増野さんに恨みを持つ人物、それはコーヒーに関する知識を持ちながらコーヒーに恨みを持つ人物…高原さん、アナタですよね!」


高原「な、なにを言いがかりを!」
北村「言いがかりじゃありません、あなたは喫茶店を経営している。しかし、毎日毎日コーヒーを扱う日々、いつしかコーヒーってなんだろう?という思いが浮かんでくる。
 そしてある日ふとお客さんが注文した紅茶の香りに心を奪われる。そんな中、増野さんが客として現れた。狂った様に来る日も来る日もコーヒーを注文する増野さん、聞いてもいないのに常識の様なコーヒーの知識を披露してくる増野さん、そんな増野さんにいつしか殺意を持つ様になったあなたは増野さんの見せかけだけの知識、すなわちお前の知識なんて飾りだ!という意味も込めてサイホン式の原理を応用して増野さんを殺した、どうです?違いますか?」


高原「確かにそ…!?ちょ、ちょっと待って下さいよ、北村さん」
北村「はい?」
高原「それだけの説明が出来るって事は、あなたコーヒーに大分お詳しいんじゃないですか?」
北村「えぇ、ですがそれがどうかしましたか?」
高原「という事は事件があった時も一緒にいたあなたも容疑者候補、って事になりませんか?」
吹田「え!」
吉田「!」


高原「刑事だからって理由で初めっから除外してましたけどあなただって容疑者候補なんですよ!まして、あなたの立場を利用すれば私を犯人にしたて上げる事は簡単だ!」
北村「…(キメ顔で)でも、そんな事言っちゃったらこの話成り立たないよね!」
吹田「!」
吉田「!」
北村「ぶっちゃけ俺も普段は軽犯罪の類位日常茶飯事だよ、警察だって人間だもんそんなもんだよ。でもね、そんな事言ったら(キメ顔で)事件解決ものなんて成り立たないよね!」


吹田「!」
吉田「!」
高原「いや…それは…」
吹田「メチャクチャだけど正論だ…」
北村「つー事で…高原さん、あなたが犯人だ!」
高原「…まぁ、実際俺が犯人なんだけど…まぁ、ハイ…」