お題、お『鬼と鍛錬』前編

少し未来のお話…


屋久島、港近くを歩いている少年、携帯電話を操作してたちばなという所に掛ける。
「あっ、もしもし?僕です、アユムです。」
「おぉっ、アユム君かぁ、で、どお?」
「はい、やっぱり土蜘蛛みたいですね」


「一応メールでデータ送ったけど、見てくれた?」
「あっ、ゴメンなさい僕メールとかよくわかんなくて…」
「ダメだよ、若いのにそれ位使えないと、機械苦手ってダレに似ちゃったのか…」
「スイマセン。でも魔化魍もそんなに大きくないみたいですし、それ込みの卒業試験だと思うんで」


「まぁ、そうですねぇ。それ位一人で出来てこそ鬼!って感じなんですかねぇ。あ、あと屋久島みやげなんですけど例の…」
「あ、耳掻きですよね。忘れない様に買っといたんで大丈夫です。」
「さすがアユム君、わかってるねぇ。あ、姉上来たから変わるね」
「ハイ」


「あ、もしもしアユム君?で、自分の太鼓にばち用の材料は探せたの?」
「いえ、探してる途中に魔化魍出ちゃったんで…。あっ、でも予備の音撃棒と念の為に音撃管の方も持ってきてるんで、それでなんとか出来ると思います」


「そっか、じゃあ気をつけるのよ。全くこんな時に君のお師匠さんはどこ行っちゃったんだか…」
「なんせ、ロンリーウルフですからね。でも僕の事信頼してくれてると思って頑張ります!」


そこにディスクアニマルが戻ってくる。
「あ!」
「どうしたの?」
「ちょっとディスクアニマル戻って来たんで…」
ディスクアニマルを機器にセットしてデータを調べるアユム。


「あ、土蜘蛛見つけました!ちょっと行ってきます!」
「行ってらっしゃい!」
電話口で火打ち石をカン!カン!と叩く。



森の中に入っていくアユム。
「多分この辺だと思うんだけど…」
と思い辺りを見回すとバラバラに壊されているアカベニタカのディスクアニマルを発見する。


「やっぱこの辺で間違いないね…」
そう言った瞬間、蜘蛛の糸が飛んできてアユムの左腕を拘束する。
木陰から姿を表す童子と姫。
「コノマエノオニカ…」
「不意打ちは食らったけど…、今回は倒すよ」


そう言ってショルダーバックを下ろし、右腕で音叉を取り出し、木に当てて音を鳴らして変身する!
体から放たれる炎で左腕を拘束していた蜘蛛の糸が燃える。
「…行くよ!」


そう言って鬼火を吐き出す!
逃げる様に木に飛び移る童子と姫、そして背後に回りこんだ姫に腰につけていた音撃棒を取られる。
「あっ、ちょっ…」


そのまま逃げていく姫。
「人のもの盗ったらいけないんだかんな…」
そう言ってショルダーバックから音撃管を取り出す。
「練習だってしたんだ」


木にジャンプし、枝の反発を使って童子と姫を追うアユム。
移動中にディスクアニマルも展開させておく。そして、前方を逃げる姫を発見する!
「見つけた!行け!」


音撃管を構えトリガーを引き圧縮空気を放つアユム!
ダダダッ!
しかし圧縮空気は森の木々に遮られて当らない。
「なんで!?あんなに練習したのに!」


そう言ってもう一度圧縮空気を放つ!
ダダダッ!
しかし狙いは外れる。
「そんな…」
その時横から飛び出してきた童子に音撃管を弾かれる。
「あっ!」
森の中に落ちてしまう音撃管。


「どうせ使えないんだ、だったら音撃棒を取り返して…」
その時アカベニタカが上空で鳴いているのを聞く
「!」
左の鬼爪を展開し自分の右側の空間に突き出す!
「グェ!?」
鬼爪が姫に突き刺さる。そして音撃棒を取り返し、
「同じ失敗はしないって言ってるだろ!」
と言って鬼爪を引き抜く!そして、爆散する姫。


「あとは童子と…」
と、その時、土蜘蛛を発見する。
「土蜘蛛ね…」
すると土蜘蛛の近くで童子が苦しんでるのを発見する。
「なんだ?」
すると童子が武者童子へと変貌する。
「なに?」


するとこちらに気付いた武者童子が襲いかかってくる!
「なっ、こいつ強い…」
そこに土蜘蛛も加勢してくる…成す術がないアユム
「どうしたら…」
その時炎が飛んで来て武者童子と土蜘蛛に命中する!