悪魔さんが北利家にて笛をふく?(別にドラマとは関係ないです)

ピ〜ンポ〜ン!
「はい、誰かなこんな時間に・・・」
ガチャ
「どちら様で・・・あっ、悪魔さんでしたか・・・」
「すいません、遅くなっちゃって」
「いえいえ、もうそんな時期なんですね。まぁ、玄関じゃなんですから、どうぞ」
「あっ、スイマセン・・・」
「じゃあ、ここにでも座って・・・と、その前にいつもの笛、お願いしていいですか?」
「じゃあ、失礼して・・・」
ここで、悪魔の笛の旋律が家中の柱という柱に響き、そしてその音が壁からスピーカーの様に反射して鳴り響く
「いやぁ、やっぱり悪魔さんの笛は素晴らしいですね。」
「いえいえ、私の笛なんて別にたいしたモノじゃ・・・アレ、そういえば今年はお嬢さんの姿が見えませんけど・・・」
「あぁ、娘はね、去年の暮れに結婚して家を出て行っちゃってね・・・」
「そうなんですか、早いもんですね、こないだまでこんなに小さかったと思ったら・・・」
「本当に早いものですよ・・・そういえばあの娘が小さい頃、悪魔さんが帰った次の日は、昨日のおじさんどこ?なんて言ってよく泣いてたんですよ」
「そうだったんですか・・・なんか、嬉しいはなしですね・・・っと、そろそろ次の所に行かない と」
「すいませんね、つい話し込んじゃって・・・悪魔さん・・・来年も来てくれますか?」
「ご迷惑でなければ、ですが・・・」
「じゃあ、お願いします。この歳になると楽しみが無くっていけませんね・・・あ、今日は綺麗な満月ですね」
「本当ですね」
「明日は晴れますかね?」
「晴れると・・・良いですけどね」